シラバス (Syllabus)

分子細胞生物学 I (Molecular and Cellular Biology I)


===== Japanese Version =====

1.授業科目と単位:分子細胞生物学 I 講義 2単位

2.履修対象者: D1からD3 総研大の全研究科学生

3.授業担当教員:
担当教員との連絡(e-mail、電話、FAX、研究室):

(科目責任者・講師・授業担当教員)
遺伝学専攻 教授 仁木宏典
(hniki@lab.nig.ac.jp、電話055-981-6870,FAX 055-981-6826,国立遺伝学研究所R301)

(講師・授業担当教員)
遺伝学専攻  教授 荒木弘之
(hiaraki@nig.ac.jp、電話055-981-6754,FAX 055-981-6762,国立遺伝学研究所C304)

遺伝学専攻 教授 仁木宏典
(hniki@nig.ac.jp、電話055-981-6870,FAX 055-981-6826,国立遺伝学研究所R301)

基礎生物学専攻 教授 西村幹夫
(mikosome@nibb.ac.jp、電話0564-55-7500,FAX 0564-55-7505,基礎生物学研究所232)

遺伝学専攻 名誉教授 山尾文明
(fyamao@nig.ac.jp、電話055-981-6780(代・仁木))


講義に関する質問は,この講義の一環と考え,歓迎する。質問は,その内容により,各講師または科目責任者にe-mail等でたずねること。オフィスアワーは設定していないので,講師または科目責任者に会って面談をしたい場合は,本人に直接e-mail等で連絡を取り,日時を相談してほしい。

4.授業実施期日時間:
非同期e-learningなので、特に制限はない。

5.授業実施場所:
(非同期e-learning)
遺伝学専攻  ※基生研からのアクセスはできません
 http://nigwwwi.nig.ac.jp/local/jimu/soken/courses/e_learning/MolCellBiol_1/
基礎生物学専攻 http://www.nibb.ac.jp/staffonly/e-learning/e-learning5.html
生命科学研究科以外の専攻 http://www.soken.ac.jp/e-learning/e-learning.html

6.履修条件、受講方法:
日本語の授業であることに注意。受講方法は、以下の通り。

(生命科学研究科の3専攻)
講議ビデオ:上記5.のURLから講義ビデオのファイルをダウンロードし、解答する。各専攻の大学院担当事務からCDを借りることもできる。全部で約1.2GB(著作権等の問題のため、総研大や基盤機関のメンバー以外にコピーを渡すことは避けること)
Windows(95以上、メモリ128MB以上)またはMacintosh(OS9以上、メモリ256MB以上)とRealPlayerが必要。
8つの講義がさらにそれぞれ2〜6の小講義に別れている (各講義のindex.html参照)
index.htmlを立ち上げて小講義名をクリックすると講義ビデオが始まる Macでは、これがうまく行かない場合がある。その時は、index old.htmlやindex.swfを試す。 それもダメな場合は、RealPlayerを立ち上げて、「Open File」という操作により、RAMまたは.SMIというファイルを開けば、各小講義のビデオを聴講できる。 ビデオの映像とスライドの両方が見え、音声が出ることを確認する。

(生命科学研究科以外の専攻)
受講するためには、上記5.のURLにアクセスし、Netcommonsにログインし、受講科目を選択 する。ログインの際に必要となるID・パスワードは履修届を提出していただいてから約1週間以内に発行する。サーバへのアクセスは、葉山ならびに各基盤機関からのアクセスに限定されている。 アクセス不可能な方にはCDの貸出も行っており、葉山の教務係からCDを借りることが できる。CDの貸出希望の学生は、メール・FAXで連絡すること。 Netcommons、CDのいずれを利用する場合も、Windows(95以上、メモリ128MB以上)またはMacintosh(OS9以上、メモリ256MB以上) とRealPlayerが必要。 講義の補足のためのテキスト資料(pdfまたはMSWord)と講義のスライド(PowerPoint)を講義と同一のページ内からダウンロード可能。

7.授業内容の概要:
分子生物学、細胞生物学及びその融合分野である分子細胞生物学の基礎を概説する。具体的には、細胞内のオルガネラ等の基本的構造とその機能について紹介するとともに、染色体上の遺伝情報の保持(複製・組換え・修復)とその情報が発現されて行く分子機構(転写・翻訳)の概略を説明する。

8.授業の達成目標:
分子細胞生物学の基礎を習得し、基本的な課題について、原論文や総説を探して読み、正しく理解し、レポートにまとめることができるようになる。

9.授業計画:
以下の8つの講義ビデオ(1つ約1時間、日本語)から成る。
1.DNAの複製荒木 弘之
2.組み換えの機構,生物学的意味とその利用   堀内 嵩
3.分子細胞生物学1永山 國昭
4.原核細胞の細胞分裂仁木 宏典
5.植物分子細胞生物学概説西村 幹夫
6.タンパク質の一生大隅 良典
7.遺伝子の発現嶋本 伸雄
8.翻訳後修飾と細胞機能山尾 文明

この他に、参考資料として、講義に使用したスライドが用意されている。

10.使用参考書、参考文献:
講義を受講し補助資料を読んだ上でさらに参考書が必要と考える場合は、各講師または科目責任者に相談すること。補助資料や、下記のレポートの課題に参考書が書いてある講義もある。

11.単位修得要件と成績評価基準:
単位の修得の要件は,8つの講義ビデオ全部の聴講とレポート提出。レポート課題を提出した担当講師がレポートを読み,担当授業の達成目標に到達しているかを判断する。その判断に基づき科目責任者がA,B及びCを合格、Dを不合格として評価する。レポート提出者には,担当講師からレポートの講評が送られる。(レポート提出に関する詳細は,下記の「レポートの課題,締切り,提出方法」を参照のこと)生命科学研究科以外の学生で,この講議が当該専攻の単位として認定されるかどうかがわからない場合は,当該専攻の大学院担当事務に問い合わせること

12.その他のコメント:
(レポートの課題、締切り、提出方法)
以下のA、B両方の課題についてレポートをワープロで作成し、科目責任者(仁木 宏典:hniki@lab.nig.ac.jp)に締め切り日までに提出すること。 MSWordまたはpdfのファイル(1つのファイルにA,B両方を入れる)で作成して,e-mailの添付ファイルとして送ることを原則とする。ただし,MSWordやpdfのファイルが作成できない者は,メイルの本文として送っても構わない。都合によっては,郵送も可とする。(郵送先:〒411-8540 静岡県三島市谷田1111 情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 仁木 宏典)。郵送の場合は,締切り日までに到着するように送ること。

(締切日)
  8月31日

  2月15日
(締切り日に変更がある場合は、改めて連絡する)


(レポート課題)
A.下記の各講師が出した課題の中から1つを選び,文献などを調査してまとめよ。どの講師の課題を選択したか,複数の課題を出した講師の場合はその中のどの課題を選択したかを,レポートに記すこと。
B.「分子細胞生物学I」の講義内容やその運営に関する感想・提案などを,講義を聴講した体験(補足資料のある講義については,それを読んだ体験を入れてもよい)に基づいて書くこと。

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1.DNAの複製 荒木 弘之
課題:DNA複製機構の中で,以下の項目のうち1つについてまとめる。
(1)リーディング鎖とラギング鎖の合成はどのように調和されているか?
(2)複製フォークがDNA合成中に停止したらどうなるか?
(3) 複製の終結はどのようになっているか?

2.組み換えの機構,生物学的意味とその利用 堀内 嵩
本年は他の課題を選んでください。

課題:以下の中から一つを選び,レポートに書くこと。
(1)組換えの生理的機能について
(2)相同的組換えと非相同的組換え:例を挙げ、その機構と生理機能について
(3)ホリデイ構造の組換えにおける意味について
(4)遺伝子組換え技術:そのきっかけと生命科学へのインパクトについて

3.分子細胞生物学1永山 國昭
本年は他の課題を選んでください。

課題:生体構造階層論の講義レポート。「生物の階層構造は時空の実態として客観的に存在するのか人間の科学的認識として主観的に存在するのかを考察せよ」

4.原核細胞の細胞分裂仁木 宏典
課題:原核生物の細胞分裂の分子機構をバクテリアチューブリンであるFtsZを中心に、真核生物との差異を指摘しながら、簡潔にまとめる。

5.植物分子細胞生物学概説西村 幹夫
課題:植物細胞に特有なオルガネラをあげ,そのオルガネラの存在により植物にどのような特徴が生じているかを論ぜよ。

6.タンパク質の一生 大隅 良典
本年は他の課題を選んでください。

7.遺伝子の発現:DNAからタンパク質合成まで嶋本 伸雄
本年は他の課題を選んでください。

共通課題(本講師を選ぶときは必須。
このe-learning siteの講義を改善するための提案を書いてください。
  選択課題(1つ以上を選択)
1.DNAの構成要素であるデオキシリボヌクレオシドは、 RNAの構成要素であるリボヌクレオシドと比べるとリボースの2'位置が-OHから-H基に変化している。 この変化によって得たDNAの性質について論じてください。
2.One gene one protein の例外となる具体例を指摘して、そうなった理由について推定してください。
3.遺伝子発現の調節において、合成過程で調節する場合、活性の発現 段階で調節する場合、分解過程で調節する場合の3つの場合があるが、それぞれの得失を指摘してください(論じる必要はありません)。

8.翻訳後修飾と細胞機能山尾 文明
課題:細胞機能の調節にかかわるタンパク質分解系で興味のあるものを一つ取り上げ,分解におけるタイミングと特異性がどのような分子的機作で行われているかを調べてまとめ,タンパク質分解の制御系としての役割を議論せよ。


更新日=2013年 8月 8日