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国際チームがナメクジウオゲノムの解読に成功-脊椎動物の起源が明らかに-
 

→用語解説

大野 乾(1928-2000)
 1953年北海道大学で博士号取得後渡米。City of Hope National Medical Center の研究者。染色体進化、性染色体の研究分野で顕著な業績があり、特に1970年に出版された著書「Evolution by Gene Duplication(遺伝子重複による進化)」は広く読まれています。

ゲノム
  ある生物が持つすべての遺伝情報の一セットを指します。デオキシリボ核酸(DNA)という物質で構成され、4種類のヌクレオチド(A、T、G、C)の重合体です。この4種類の塩基の並び(配列)によって遺伝情報が決定されます。ナメクジウオは約5億塩基からなるゲノムを持っていました。

シンテニー
  2つの生物のゲノムの間で、染色体上のある程度の数の遺伝子の並びが類似している状態をいいます。シンテニーは既知のゲノム上での遺伝子の位置情報から、別のゲノムの遺伝子位置を推定するときなどに使われます。シンテニーは生物のなりたちを知る上で有効かつ重要な情報となっています(参考文献:藤山)。

脊索動物・脊椎動物・頭索動物・尾索動物
 動物は一般的に、背骨をもつ脊椎動物と、背骨を持たない無脊椎動物に分けられます。しかし、脊椎骨の発生過程を詳しくみると、脊索という基本構造からできてきます。しかも脊索はホヤなどの尾索動物(幼生の尾に脊索がある動物)やナメクジウオなどの頭索動物(脊索が頭の先端まで伸びている動物)にもあることから、現在の動物分類学では、これら3群をまとめて脊索動物とし、これを一つの門としています。すなわち、我々は脊索動物門・脊椎動物亜門、ホヤなどは尾索動物門・尾索動物亜門、ナメクジウオなどは脊索動物門・頭索動物亜門です。最近の化石記録から、これらの動物は今から5億2千万年以上昔に、共通の祖先から進化してきたものと考えられています。

全ゲノム重複
  ゲノム全体が重複される現象で、遺伝子とその周辺の制御領域をまるごとコピーするので遺伝子の数が倍になります。脊椎動物の祖先で2回の全ゲノム重複が起こったと推測され、これにより、脊椎動物においては個々の遺伝子が別々に進化してさまざまな環境に対応して生き残れるようになり進化に有利に働いたと予想されています。

全ゲノムショットガン・アセンブリ
 シークエンサー(DNA解読装置)が一回で読める長さは500〜800塩基です。一方、ナメクジウオのゲノムサイズは約5億塩基、ヒトでは約30億塩基にも達するため、いったんゲノムDNAを断片化してからそれぞれの塩基配列を読みとり、それを編集してもとのゲノムDNAの構造を再構築する手法を全ゲノムショットガン法といいます。

 

広報資料執筆
薦田多恵子(国立情報学研究所)、藤山秋佐夫(国立情報学研究所、国立遺伝学研究所)佐藤矩行(京都大学理学部)
参考文献
安井金也、窪川かおる 著 「ナメクジウオ 頭索動物の生物学」 東京大学出版会 2005
藤山秋佐夫 監修 「細胞工学別冊 比較ゲノム学から読み解く生命システム 基本概念から最新ゲノム情報まで」 秀潤社 

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