Rice pollen hybrid incompatibility caused by reciprocal gene loss of duplicated genes.
Mizuta Y, Harushima Y, Kurata N.
Proc. Natl. Acad. Sci. Vol.47, page 20417-20422. (2010).
published ahead of print November 23, 2010, doi:10.1073/pnas.1003124107
「種」は遺伝子交換が可能な集団と定義され、種間で遺伝子交換を妨げる機構は生殖的隔離と呼ばれています。栽培イネ( Oryza sativa )の indica と japonicaの交雑では雑種致死・不稔など様々な生殖的隔離が観察されますが、その機構は未解明のままです。今回我々は、 japonica の日本晴と indica のカサラスとの交雑後代で、2遺伝子座間の相互作用を網羅的に調査し、カサラスの第1染色体と日本晴の第6染色体を持つ花粉が後代に伝わらないことを明らかにしました。ポジショナルクローニングにより、原因遺伝子は機能が未知の10 kDa程度のタンパク質をコードする植物特異的な重複遺伝子であることを明らかにし、それぞれ DOPPELGANGER1 ( DPL1 )、 DPL2 と名付けました。カサラスの DPL1 はトランスポゾンの挿入により、日本晴の DPL2 はスプライシングの変化により相互に機能欠損型となっていました(図)。 DPL1, 2 共に機能欠損型の花粉の形態は正常ですが、発芽不全を起こすことを明らかにしました。この隔離の成立時期を明らかにするため近縁種を調査したところ、 DPL1 はイネとブラキポディウムの分岐後 DPL2 から重複により生じ、 DPL2 の機能欠損は japonica の共通祖先で、 DPL1 の機能欠損は一部の indica と野生祖先種である O. rufipogon の共通祖先で起きたことが分かりました。
この研究の写真が、PNAS 2010年11月23日号の表紙を飾りました。この研究は、特定領域研究および学術振興会DC1奨励研究員制度の支援を受けて行われました。
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イネ花粉発芽に必須な遺伝子 DPL1 , DPL2はイネの祖先種で遺伝子重複し、 indica と japonica で相互に片側の機能を欠損することにより、生殖隔離を引き起こす要因となった。
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