ファンコニ貧血相補群L遺伝子の変異ゼブラフィッシュで見られる性転換はp53依存的な細胞死によって引き起こされる
PLoS Genetics 誌 Vol 6
川上研究室(初期発生研究部門)
Sex Reversal in Zebrafish fancl Mutants Is Caused by Tp53-Mediated Germ Cell Apoptosis.
Adriana Rodriguez-Mari, Cristian Canestro, Ruth A. BreMiller, Alexandria Nguyen-Johnson,Kazuhide Asakawa, Koichi Kawakami, and John H. Postlethwait
PLoS Genetics, Vol 6, e1001034. (2010) 


  モデル脊椎動物ゼブラフィッシュでは、性決定へとつながる生殖巣の運命決定のメカニズムがよくわかっていませんでした。本研究で私たちは、ゼブラフィッシュファンコニ貧血相補群L(fanconi anemis complementation group L)遺伝子の変異がメスからオスへの性転換を引き起こすことを発見しました。ファンコニ貧血相補群に属する遺伝子はヒトの遺伝病ファンコニ貧血の原因遺伝子で、それらの遺伝子産物はDNA損傷の修復に関わることが知られています。私たちはこの変異体に見られる性転換の表現型が、性決定に重要な時期に生殖細胞が細胞死することによって引き起こされることを見出しました。この生殖細胞の細胞死により、生殖巣はメス型になることができなくなりオス型になってしまいます。さらに私たちは、この細胞死がp53に依存するものであることをつきとめました。生殖細胞の細胞死によって、生殖巣をメス型にするためのシグナルが失われてしまうと考えています。
(米国オレゴン大学Postlethwait研との共同研究の成果です)


説明図
fancl変異体におけるTp53依存的生殖細胞細胞死。
(左)fancl 変異体の生殖巣における生殖細胞細胞死の増加。
(右)p53変異によるfancl 変異体の生殖巣における生殖細胞細胞死の減少。


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