サイクリン依存性キナーゼ活性に依存した運び屋形成が複製開始には必須である。
Genes and Development
荒木研究室(微生物遺伝研究部門)
CDK-dependent complex formation between replication proteins Dpb11, Sld2, Polε, and GINS in budding yeast.
Sachiko Muramatsu, Kazuyuki Hirai, Yon-Soo Tak, Yoichiro Kamimura, and Hiroyuki Araki,
Genes and Dev. 24, 602-612, 2010. doi:10.1101/gad.1883410


 染色体DNAは細胞周期のS期に一度だけ複製されるように厳密に制御されている。この制御が破綻すると、染色体が不安定となり、細胞に重篤な影響を与える。この制御は主として複製の開始段階で行なわれ、細胞周期制御のキイであるサイクリン依存性キナーゼ(CDK)が重要な役割を果たす。このグループは、出芽酵母の複製タンパク質Sld2とSld3がCDKにリン酸化され、もう一つの複製タンパク質Dpb11と結合すると複製が開始することを示している。しかし、これらの結合がどのように複製を開始させるのかは分からなかった。
 今回、CDKによりリン酸化されたSld2とDpb11の結合がpre-Loading Complex (pre-LC)という新しく同定された複合体の形成を促進することを示した。pre-LCは、Dpb11, Sld2, DNA polymeraseε(Polε)、GINS を含み、その形成にはDNAへの結合を必要としない。GINSはCdc45-Mcm-GINS (CMG) 複合体をつくり、複製フォークで2本鎖DNAをほどくDNAへリカーゼとして働く。従って、pre-LCは染色体開始領域に結合するSld3がリン酸化されると結合し、GINSを複製開始領域に呼び込む運び屋として働くと考えられる。


説明図



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