改良型GCaMP遺伝子によるゼブラフィッシュ脊髄運動神経回路の時空間活動パターンの可視化
Press Release Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS)
プレスリリース詳細資料 PDF(725KB) 川上研究室(初期発生研究部門)
Genetic visualization with an improved GCaMP calcium indicator reveals spatiotemporal activation of the spinal motor neurons in zebrafish
Akira Muto, Masamichi Ohkura, Tomoya Kotani, Shin-ichi Higashijima, Junichi Nakai, and Koichi Kawakami
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS)
2011 3月7日号  doi:10.1073/pnas.1000887108

  本研究では、神経細胞の電気活動に伴う細胞内カルシウムイオン濃度の上昇(カルシウムシグナル)を画像として捉えることにより、神経活動の時間的・空間的パターンを、生きている脊椎動物において可視化することに成功しました。我々はまず、GFPを改造して作製されたカルシウムインディケーターGCaMPのさらなる改良を行い、感度の良いGCaMP-HSを開発し、このGCaMP-HS遺伝子をUASの下流にもつトランスジェニックフィッシュを作製しました。次に遺伝子トラップスクリーンを実施し、脊髄の運動神経特異的に転写因子Gal4FFを発現するトランスジェニックフィッシュを作製しました。我々はこれらをかけあわせ、二重トランスジェニックフィッシュを作製しました。二重トランスジェニックフィッシュにおいては、運動神経特異的にGCaMP-HSが発現されます。我々は、この魚を用いてカルシウムイメージングを行いました。その結果、ゼブラフィッシュ稚魚がリズミカルに左右の筋肉を収縮させる際、脊髄の運動神経を規則的に発火させている様子を検出することに成功しました。今回私たちが開発した遺伝学的な手法は、任意の神経回路の活動パターンを観察することができる非常に有用なものであり、将来的には脳の活動を検出し、研究することにも役立つことが期待できます。
 
Figure
ゼブラフィッシュ脊髄運動神経細胞の発火の可視化。白黒写真:GCaMPの蛍光像。疑似カラ―写真:カルシウムシグナル強度。左側の図では、脊髄の左側縦一列の運動神経細胞が発火している。右側の図では、脊髄の右側縦一列の運動神経細胞が発火している。

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