Oscillating focus of SopA associated with filamentous structure guides partitioning of F plasmid
Toshiyuki Hatano, Yoshiharu Yamaichi and Hironori Niki
Molecular Microbiology, 64, 1198-1213, 2007
大腸菌の性決定因子Fプラスミドは、細胞内に1から2コピーと非常に少ないコピー数にもかかわらず、娘細胞へと安定に分配される。この過程でFプラスミドは、細胞中央で複製されたのち速やかに細胞両極方向へ移動することが知られており、ATPアーゼのSopAタンパク質が、移動の駆動力を生じているのではないかと考えられてきた。いかにしてSopAタンパク質はプラスミドに駆動力を与えているのだろうか?
私たちは今回、生きた細胞の中でプラスミドDNAとSopAタンパク質を蛍光タンパク質で標識し、両者の動態解析を行った。SopA-YFPタンパク質は細胞極近くに蛍光輝点を形成し、これが重合の中心となり、さらにそこから細胞全体に繊維(らせん)状に構造体を延ばしていた。また、このSopAの重合中心は、細胞内の端から端へ周期的に移動し、その後を追ってプラスミドDNAも周期的に移動した。SopAタンパク質は、直接プラスミドを押し引きして分配移動させるというより、プラスミドの移動の際の軌道として機能していると考えられる。さらにSopAタンパク質は、核様体とは独立に自己集合し、繊維状の構造体を形成していた。この繊維構造には方向性があり、Fプラスミドの分配移動をガイドする軌道として機能すると考えられる。
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図1: SopAタンパク質は、細胞内に重合中心とらせん状の繊維構造を形成する。
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図2: FプラスミドDNA(紫)は、周期移動するSopAタンパク質(緑)の重合中心の後を追って自身も周期移動する。 |
図3: らせん状繊維構造を形成するSopAタンパク質(緑)とFプラスミド(紫星)の移動のモデル。SopAタンパク質は細胞極近くで重合する(緑丸)。SopAタンパク質の周期移動に伴い、繊維構造の極性は変化する。この極性の変化はプラスミドDNAの移動方向(紫矢印)を変化させる。 |
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