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Research Highlights
細胞の核内構造体の形成に必要な因子の同定
Journal of Cell Science (Advance Online Publication) 
前島研究室(生体高分子研究室)
旧柴原研究室(育種遺伝研究室)
The integrator complex is required for the integrity of Cajal bodies  
Hideaki Takata, Hitoshi Nishijima, Kazuhiro Maeshima, Kei-ichi Shibahara
Journal of Cell ScienceAdvance Online Publication, 2012 Journal of Cell Science doi: 10.1242/​jcs.090837 

 細胞の核の中には、核小体をはじめとして多くの構造体が存在することが知られています。しかしながら、どのようにして核内の構造体が形成・維持されるのかはよくわかっていません。本研究では、核内構造体の一つであるカハール体(Cajal body)の構造を正常に保つためにIntegrator と呼ばれる複合体が必要であることを発見しました。Integratorは、snRNAの3'末端のプロセシングを行う活性をもつ複合体です。この複合体の活性が失われると、カハール体の代表的な蛋白質であるCoilinは核小体へと蓄積し、カハール体への局在は大きく減少することが分かりました。また、この時、別のカハール体のタンパク質であるSMN、Sm蛋白質は細胞質で顆粒を形成することが分かりました。こうした現象はsnRNAの核外輸送を阻害することでも再現することができることから、IntegratorによるsnRNAの3'末端のプロセシングがsnRNAの核外輸送に必要であることが考えられます。このことから、私たちはsnRNAの3'末端がsnRNAの移動先を決定する“コード”として機能していて、Integratorによる正しいコードの作成が、カハール体の構造に必要であることを提唱しました。
 
Figure1

RNA pol IIにより転写されたsnRNAは、Integratorにより3'末端のプロセシングを受けることで核外へ輸送され、SMN、Sm蛋白質と複合体を形成する。このsnRNA複合体は再び核内へ輸送される。こうした、新規合成されたsnRNAが成熟する一連の流れがカハール体の構造を維持するために重要である。