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Research Highlights
イネ茎頂分裂組織の維持にはKNOX 遺伝子OSH1の正の自己制御が必須である
Plant Cell
植物遺伝研究室
Positive autoregulation of a KNOX gene is essential for shoot meristem maintenance in rice
Katsutoshi Tsuda, Yukihiro Ito, Yutaka Sato, Nori Kurata
Plant Cell: December 29, 2011, Published online ahead of print. DOI: http:/​/​dx.​doi.​org/​10.​1105/​tpc.​111.​090050

 胚発生時に基本的な器官形成を終える動物と異なり、植物は一生を通じて茎頂分裂組織から 葉 ・ 茎 ・花 などの器官を作り続けるという特徴的なボディプラン持っています。従って茎頂分裂組織は、器官発生をおこないながら自身を維持し続けなければなりません。過去のシロイヌナズナやトウモロコシにおける研究で、茎頂特異的に発現するClass I Knotted1-like homeobox KNOX)遺伝子が茎頂分裂組織の維持に不可欠であることが知られていましたが、どのような仕組みでKNOX 遺伝子の発現が保たれているのか全く不明でした。本研究では、KNOX 遺伝子の発現が植物ホルモンのひとつであるサイトカイニン(CK)と、KNOX 遺伝子自身によって制御されていることを見出しました。イネKNOX 遺伝子OSH1およびOSH15の二重変異体では、その他のメンバーも含めたすべてのKNOX 遺伝子の発現が低下し、逆にOSH1の過剰発現やCK処理よってKNOX 遺伝子の発現が上昇していました。KNOX 遺伝子の機能のひとつはCKの生合成の活性化であることを考慮すると、KNOX 自身とCKを介した二重の自己制御の存在が示唆されます。さらにわれわれは、OSH1タンパク質がOSH1自身を含めたすべてのKNOX 遺伝子の進化的に保存されたシスエレメントに直接結合しており、これらのシスエレメントがKNOX 遺伝子の発現および茎頂分裂組織の維持に不可欠であることを明らかにしました。本研究により示されたKNOX 遺伝子の自己制御は、植物に特有のボディプランをささえる新たな分子メカニズムであるといえます。
 
Figure1

( A ) イネKNOX 遺伝子OSH1の発現(左)。自己制御に必要なシスエレメントを破壊するとGFP-OSH1レポーター遺伝子の発現は失われる(右)。矢頭は茎頂分裂組織。 ( B ) 茎頂分裂組織におけるKNOX 遺伝子の発現制御モデル。